映画秘法『マルサの女』99.9点
オジ(‐◎✹◎‐) サン流映画秘法採点「99.9点」
ほんとはよ、100点で良いと思っておるし、100点にするかもしれん。
ていうか実質100点、だけど、まぁアレだ、アレ。
気に入らねぇな、税務署、というのがオジ(‐◎✹◎‐) サンなのであるよ。
だいたいの経営者ってもんは税務署がこの世で一番の純粋悪だと思っているわけですよ。
そりゃそうだぞお前、一度でもいいから税務調査入られてみろよ、え?
はっきり言ってだな、本当に脱税しているところには税務調査なんていかねーんだよ。
わかる?そういうところは今どきは半グレって言うけど、要は「悪いやつら」なわけで、あの手この手っていうよりシンプルに叩くには相手が悪すぎて行かないんだよ税務調査。
それこそマルサ、国税局査察部が立件案件で入るってのなら別だけどさ、だいたい名古屋あたりでもまともに税金払ってない有名所いくらでも知ってんぞ、こちとら。
地方の税務署ってのはさ、取りやすいところから確実に穫るわけよ。
要は「叩き」なんだわ、懲罰ね。
一罰百戒で、業界全体に締め付けやるわけよ。
そんなもんよ実態としては。
だってさ、うちらなんか帳簿の記載漏れとか計算ミスとかそんな程度よ。
だって商売の規模としては町の商店とかなわけで、金額なんてしれてるし、脱税もクソもない程度よ。
せいぜい経費で不適切なものがあったりとかね。
だから追徴課税で数十万もいかないわけですよ。
知り合いのところで5万とかあったぞ。
そんなことに人員と時間かけてやってもさ、実は意味ないわけ。
人件費の方が高いんだよ税務署なんて。
だから税務調査ってのは懲罰の意味以上は無い、無駄。
で、あの雰囲気、査問されるわけだけど、本気で人間性とか感情とかなくすと危険だよなってわかる。
やられたらわかるけど、あーこれ懲罰なんだなって。
大正義税務署様が下々を絞り上げて締め付けていじめ抜いて従わせる、だけどそれは完全に法的正義がある。
そりゃあ税務署員がいなくならないわけだわ、って思ったよあの日あの時。
ということで『マルサの女』ですが、映画としてはもう100点でもいいぐらいの完成度面白さエキサイティング&ワンダフル。
特にオジ(‐◎✹◎‐) サンが人生の金言として記憶しているのが山崎努演じる権藤の「金を貯めようと思ったらね。使わないことだよ。100万あったって、使えば残らない。10万しかなくても、使わなけりゃ、まるまる10万残るんだからね。あんた、今、ポタポタ落ちてくる水の下にコップを置いて水ためているとするわね。あんたのどが渇いたからといって、半分しかないのに飲んじゃうだろ。これ最低だね。なみなみいっぱいになるのを待って、それでも飲んじゃだめだよ。いっぱいになって、溢れて、ふちから垂れてくるやつ。これを舐めて我慢するの。」って台詞。
これは真理だね。
子供の頃に観て以来ずっとこの言葉だけは覚えている。
だけど残念ながら実践できていないんだよ。
できていたらとっくにFIREだよFIRE。
この映画はこの台詞だけでも100点あげたいんだよね。
ま、あくまでこれで権藤が逃げ切っていればだけど。
だけど負けるんだなぁ権藤。
そうじゃないと『マルサの女』公開できんかったろうね。
そうじゃなかったら、袋叩きになってたと思うよ、公権力フルパワー中のフルパワーで。
納税って国家そのものだからね。
国家とは納税である、だよ。
王権主義であろうが、共産主義であろうが、資本主義であろうが、税は取られる。
だから『マルサの女』ってのは未だに税務界隈では神扱いなわけだ。
税務署とは古代中国以来唾棄すべき存在でしかなかったのに、初めてスターになれたわけだからね。
だから100点は絶対につけんぞオジ(‐◎✹◎‐) サンは。
本当は脚本映像キャスト音楽全てが素晴らしい100点満点でも良い作品だが、オジ(‐◎✹◎‐) サンはどうしても100点を出すのが許せん。
まぁそれぐらい良いだろ?いじられたんだからさオジ(‐◎✹◎‐) サンも。
それぐらいの意地はあるんだよ、蟻の一穴じゃないが、オジ(‐◎✹◎‐) サンみたいな国家から観たらアリの一匹程度の存在でも意地ってもんがある。
だけどな、これより面白い邦画って実はオジ(‐◎✹◎‐) サンあんまり知らない。
伊丹十三以前ならクロサワだオヅだ何だって言えるけどさ、伊丹十三『マルサの女』以後はこれより面白いエキサイティング&ワンダホーなものあるかい?
思いつかねぇなぁ、オジ(‐◎✹◎‐) サン。
あ、世界の北野があるか、でも面白さで越えるのはないかもなぁ。
あったら教えてくれい皆の衆よ。