映画秘法『人狼 JIN-ROH』85点
オジ(‐◎✹◎‐) サン流映画秘法採点「85点」
『ASSAULT GIRLS』のことは良いじゃないですか、もう。
それよりとりあえずこれです。
監督は沖浦啓之氏で、監督やった経緯等はWikiあたりを参照されたし。
とにもかくにも首都警な特機隊物語ないわゆる「ケルベロス・サーガ」なわけで押井守なわけです。
出来上がったものは何かと言えば、アニメ版高倉健。
どう観ても高倉健?ぽくね?じゃね?
無口オブ無口。
実際の高倉健さんの映画って別にそこまで無口ってわけでもない気がするけど、まぁ無口かどの役も。
そんなにペラペラしゃべらない。
でも、『人狼 JIN-ROH』の主人公伏一貴は明らかに無口を通り越した無口オブ無言。
喋ったら、死ぬ、ぐらいのテンションで無口。
あだ名は「無音」じゃね?お前。
もしくは「ミュート」じゃね?オサレな感じに。
ストーリー展開としては割りとシンプルだが、相関関係とかの説明がないとわかりにくい。
まぁこれ観る人は基礎ぐらい知ってるよな、ぐらいの感じか。
『犬狼伝説』、読んどけ。
それにしてもしみじみとアニメの作画が素晴らしい作品なわけであります。
沖浦啓之氏というバリバリのトップアニメーターが監督で時間かけて作られた作品なのである。
う~ん、良い、という感じ。
だけどもだ、押井守感が実はあんましない。
あるんだけど、オープニングとかそうだし、ていうか押井守作品なわけだけど、なんか押井守感はそんなに無い。
もっとめんどくさい要素が入り込むと押井守感が出るのか出ないのか、立喰いそばでもあれば押井守感なのか、そこは知らん。
知らんが、なんつーのか、薄味感がずっとある。
重い雰囲気なんだけど薄味感あり。
脚本が押井守なのだけど、やはり監督ではないからか。
それはともかくとも、やはりプロテクトギアでMG42ぶちかます快感すら伴う映像が最高のおかずですごっつぁんです85点。
しっかし、もっと、こう、アレだ、掘り下げはあったほうが楽しいよな。
もともとのOVA企画ならいろいろ出来たのだろうか。
基本的に安保闘争や学生運動でのセクト主義・武力闘争路線が舞台装置なわけだ。
せっかくならもっとやろうぜIf もしもを。
あの夢の時代をやり直したい、あるんだろ?やっぱし。
あさま山荘で無惨に悲惨に瓦解土崩した闘争の続きをもう一度やろうぜ、なぁ。
目指すべきものがあったのならば、それを出せ。
出すべきなんだよ。
オジ(‐◎✹◎‐) サン的に思うところは、結局誰も何も総括出来なかったし、する気もなかったし、夢の思い出で終わらせるか夢の中に逃げ続けるかしか選択できなかったのは卑怯千万でしかないと断ずるわけよ。
三島由紀夫だけじゃないか、戦後そのものに総括できたのは。
日米安保体制並びに高度経済成長が戦後であるならば、そのアンチたる安保闘争以下闘争すべからく戦後そのものであるわけだ。
ならば総括せい。
げにおぞましきは「あの頃は若かった」で美しいおもひでぽろぽろな歴史物語からの歴史改竄しようとしとりゃせんか?え?
そうじゃないだろ、なぁ。
何を目指し、何をやるべきであったのかをきちんと作れ。
ブルジョワ的諦観と黄昏の楽園で遊んでないでさ、やらなきゃならんことがあるんだよ。
それが出来てないのに、小手先のおままごとな政治小規模運動で自己満足だけを追い求めているから、バカにされるんだよ。
やるべきは作ることなんだと思うよオジ(‐◎✹◎‐) サンは。