刑事コロンボ評価録第9話「パイルD-3の壁」
刑事コロンボ評価録第9話「パイルD-3の壁」89点
個人的に好きな作品。
旧シリーズで唯一のピーター・フォーク監督作品。
犯人の建築家エリオット・マーカムはパトリック・オニールでセガール無双伝説の幕開け『沈黙の戦艦』が最後の出演とのことですね。
謎解きというよりも、化かし合いバトルの要素強め。
だけど不思議と面白さがあるのがピーター・フォークのコロンボがかなり完成されているからですよ。
まさに演技力ですね。
あと演出も良いんですよ、飽きない。
『二枚のドガの絵』がある意味で初期の最高傑作で、あの時代の雰囲気と独特のテンポや味のある演出が好きなのです。
初期コロンボは言わばいかにコロンボという人物を作り上げるかって過程でもあると思うのですが、『二枚のドガの絵』ではコロンボは『殺人処方箋』ですでに出来上がった捜査のための猟犬のような感じと好人物でおとぼけ感のあるピーター・フォークのイメージそのものにもなるおじさん刑事キャラのバランスが良い感じで完成された作品だと思うわけです。
で、ピーター・フォーク監督作品のこれはまた少し違う演出で、やはりコロンボをいかにかっこよく描くのかって点があるのかなって感じがしますね。
おとぼけ感を上手く使いながら犯人より一枚上手のカッコよさというところ。
ラストがそうですね、ピーター・フォークの理想とするコロンボって感じ。
展開は強引とも思えますが、意外と観ると一つの作品として完成されていて好きですね。