映画秘法

映画秘法『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』98点

オジ(‐◎✹◎‐) サン流映画秘法採点「98点」

言わずとしれた押井守版ガルパンならぬ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』である。

そりゃ世界で覇権穫れるよコレ。

この映画は初見が高校の友人宅でなんとレーザーディスクで観たのだヾ(♛;益;♛)ノ

どうだ!!すげぇだろ。

なんか没落貴族みたいな自営業者の長男坊の友人だったのだが、気難しい男でさらにNEOGEOとレーザーディスクを持っているという変態貴族でもあったな。

感動したね、レーザーディスクでのこれは。

そりゃ覇権穫るよな。

ウォシャウスキー姉妹か兄弟かよくわかんなくなったけど、リスペクトもするよ。

覇権の理由をいちいち説明すると無限の時間と手間がかかるから簡潔に。

まず士郎正宗という天才の原作が神。

オジ(‐◎✹◎‐) サンはあくまで原作1巻と1.5巻大好きオジ(‐◎✹◎‐) サンだからね(2は難しいよね未だに解読中だよ)

それも説明すると長くなるからいずれまた書く。

マンガ版のオジ(‐◎✹◎‐) サン流映画秘法採点もやりたいからね。

で、押井守版の素晴らしいところは、押井守作品として完璧に押井守作品やってるところなんだよ、あくまで我々が観たい押井守作品として。

生まれて初めて観た押井守作品って『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』だと思うんだけど、あれ子供には地獄だぞ?意味わからんし怖いし圧がスゴイし。

その時は押井守とか知らなくて観ていたんだけど、あれ以来高橋留美子作品そのものも苦手意識が生まれたからね。

まったく押井守って怖いよな。

子供に見せちゃだめな作品を作るからな。

そういやなぜか高橋留美子作品は基本ずっと駄目だな、今でもだ。

『ビューティフル・ドリーマー』じゃなくて、その前に高橋留美子作品の宇宙モノのドタバタSFコメディアニメを観て、実はそいつで合わないなーってなったんだよね。

なんか合わない。

『めぞん一刻』とか『1ポンドの福音』とかも合わない。

『らんま1/2』は割りと好きだったけど、あれはパンダで救われてたね。

なんかさ、錯乱坊と書いてチェリーとか、八宝斎とか、ああいう理不尽系キャラのドタバタが合わないな。

あの理不尽ドタバタギャグ✕押井守だからな、キョーレツですよね『ビューティフル・ドリーマー』とか。

で、高校ぐらいまでに他の押井守作品も知るのよ。

あの頃の神番組だった『BSマンガ夜話』でおなじみの岡田斗司夫がテレビに割りと出ていた時代で、岡田斗司夫の大好きな攻殻機動隊の話も当然知ってるし、原作も読んだ。

高校生ぐらいなら押井守は大丈夫ですってことで友達自慢のレーザーディスクは何者だってんで観たんだよ。

観るとだね、圧倒的な映像力でまずやられるわけです。

マジでだよ?だって友達のとこで観たの96年か97年ぐらいだったけど、あの頃でもまだこれ越えるものってそうも無かったよ。

マトリックス前だしね。

そして川井憲次の音楽、圧倒的すぎ。

これは芸術の域だなって高校生ながらに思ったね。

『ブレードランナー』あたりや『AKIRA』なども知ってるわけですよ高校生だし。

それは幸福だったと思う。

知識がある程度ないと楽しむことが出来ないものってあるし、そういうところにこれはある。

「ロボット三原則」なんて小学校の時に通過しておいてよかったよ。

そういやアシモフを読んだのが小学校5年生ぐらいだった。

実はその時はあんまりSFには心惹かれなくて、どちらかと言うと今でも歴史の方だ。

だけどSFはSFでしか得られない成分があるので読んではいた。

でもハマるのは星新一ぐらいだったけど。

SFかなと思って読んだシュールレアリズムな安部公房とかなんか辛かったけど、あれも理不尽だし。

そして、これである。

押井守はSFというより押井守節なわけだが、自己存在の定義であるとか観念的な領域がここまで押井守節でやってもらえると実に栄養豊富である。

原作では読み込まないと難しいところが映画版ではすっきり入ってきたりするし、押井守節は難しいわけじゃない。

雰囲気が難しくなっているだけで、それはそういうもんである。

高倉健がタバコ吸うだけで雰囲気が出る理論だ。

そう、実は『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』はSFベースの警察物を原作としたある意味での雰囲気映画なのである。

本当にめんどくさい押井守節は入っていない。

入っていたら覇権どころか、である。

入っていたらアレだ、立ち食いそばとか玄田哲章ダンスとか入るから。

で、何が何で98点なのかを書きたいんだが、すんごく危ないバランスで押井守が押井守していたりしていなかったりした結果とんでもない傑作が生まれた、とオジ(‐◎✹◎‐) サンは解釈している。

ストーリーは原作が凄すぎ素晴らしすぎなんだよ。

あくまで刑事な物語の中でSFやサイバーパンクや現実になったネットそのものを詰め込んで出来上がったのが原作で、それはもう素晴らしいんだよ君たち。

余談だが出来の良いスタンド・アローン・コンプレックスや個別の11人とか、実は原作読み込むとビミョーかもってなる。

まだPS2版とかのほうが良い、けどアレはアレでなんか雰囲気がアレだけど。

それぐらい原作のストーリーはゴイスーでゴイゴイスーなんだよ。

逆に押井守版ってのは、人形使いだけに絞ってあって、それでとことんやってくれてるわけ。

士郎正宗は気に入らないだろうけど、人形使いのストーリーを簡潔にわかりやすくしてあるのは事実。

そこに劇場版パトレイバーでの鬱屈した何かが、ここではきれいな形で仕上がっているわけよ。

ギャグ要素を一切排除したからだね。

士郎正宗の天才さってのは関西のおっちゃんベースの上にとんでもない知識量で練られたSFを積み込んで、それをオタク的に天才的に料理しちゃう点だと思うんだよ君たち。

サイバーパンクでサイボーグなんだけど人間臭すぎるし魅力的なのが原作で、それは士郎正宗しか描けないんだよなぁ。

そこを排除しまくったのに、テーマ的に排除しないとわからなくなるってのもあるんだけど、なんかすげーハマってるんだよな押井守ってもんが。

これはね、やっぱし天才が天才の作品を料理しちゃった案件で、もう何がなんでも98点なんだよ。

100点じゃないのはギャグがゼロだから。

だけど実際に押井守ギャグが入ってたらマイナス10点ぐらいになるかもしれんね。

そこはわからんね、やってみないと。

だけどギャグぶち込んでもシリアスも両立できる原作(と書くと誤解されそうだけど士郎正宗一流のドタバタなやつな)が100点なので、やはりどうしても98点が妥当だろうと思うんだ。

そういやオジ(‐◎✹◎‐) サンはシアターでもちゃんと観たんだぞ。

名古屋のキノシタホールってところがあって、まぁ知ってるヤツのほうが少ないミニシアターですが、そこでやってたんですよ上映会。

素晴らしかったね。

あそこは地下だから音響も良いんだよね。

それを独り占めだよ?

リマスター版ももっちょる。

良いかい?若者たちよ、押井守の攻殻機動隊は良いぞ。

agwwbnr/Kenshin Hoshino