VWの不正問題に関して

最近のVWの不正問題に関して思うことあり。
数年前のことだ。
祖父が乗っていたコロナプレミオを譲り受けて乗ることとなった。
この車、とにかく世間的評価つまり自動車評論家受けが悪かった。
もうとっくに捨ててしまったが、いくつかの車の評価本(アレとかコレとか)にはボロクソに書かれている。
僕は長いことそういった「評価」を信じこむタイプだった。
とにかく雑誌や本に書いてあることは正しい。
自動車評論家の言うことは正しい。
そう思っていた。
だから日本車は低性能でヨーロッパ車が高性能だと思い込んでいた。
でもだ。
生まれて初めて運転したヨーロッパ車のBMW3シリーズ。
正直何が良いのかさっぱりわからなかった。
確かにガッチリ感はあるような感じだが、音はうるさいし乗り心地は悪いしシートもそれほど良くない。
何よりインパネが悲惨だったのと、交差点を曲がる動きの悪さに辟易した。
でも、これが「いいクルマ」なんだと思っていた。
だってどの本見てもそう書いてあるからね。
とにかくそう思い込んでいたんだな。

で、ある日祖父が運転できなくなり、その頃乗っていたアベニールがボロボロというのもあって、コロナプレミオに乗ることにしたのだ。

コロナプレミオのD-4エンジン搭載車。
とにかく「悪評」しかない車であまり期待していなかったのは事実だ。
毎日仕事で乗るうちに自分の価値観は間違っているんではないかと思うようになった。
燃費もダッシュも良い。
乗り心地も良い。
シートも言われているような悪さはない。
荷物も乗せやすい。
見切りも小回りも効く。
ボディサイズも使いやすいサイズ。
仕事で一日6時間以上運転することもある。
コロナプレミオはどんな疲れた時でも運転したくなくなることがなかった。
もちろん悪いところもあった。
振動はそれなりにあるし、ロールも大きい。
お世辞にも「スポーティ」とは程遠い。
しかしながら仕事で運転する身としてはこれ以上良い車もないなと思うようになったのだ。

休みをもらい東北一周もこの車で行った。
一日あたり地道を600キロ走った。
今から思うとコロナプレミオだから無事に5日間3000キロノートラブルで快適に走れたのかもしれない。
長距離の平均燃費は15キロ。
実に経済的だった。
今でも思い出すコロナプレミオだ。
この車のおかげで自動車評論家の押し付ける「価値観」から脱出できたのだと思う。
「何だ、世間で言われていることなんざ嘘ばっかりじゃないか」
自動車評論家はとにかくヨーロッパ車、特にドイツ車が良いと言う。
本当にそうなのか?
少なくともBMW3シリーズを運転して覚えた違和感というのか率直な観想、それは自動車評論家の言うこととは乖離している。
でも、それは自分が感じた真実なのだ。
一体何が正しくて何が間違っているのか?

今回のVWの不正問題で一つわかったことがある。
自動車評論家の言うことは一つの方面から見た真実ではあるかもしれないが、もう一つの方面から見ると別の真実がある。
近年のVWは絶大な評価を受けている。
しかしながら実際の中身はだいぶ違ったようだ。
不正をしなければ売ることができなかったのだ。
確かに良い車を作っていたのかもしれない、しかし売ることができない性能の車を出していたことも事実なのだ。

自動車評論家はVWの技術を褒めちぎっていた。
でも調べていくと「DSG」だって不具合だらけだ。
そして不正。
一体何が真実なのだろうか?
結局のところ自動車評論家の言う真実は自動車評論家にとっての真実であって、僕にとっての真実ではない。
そんな簡単なこともわからなかったのだ。

今回の不正問題で流れが変った気がする。
明らかに自動車評論家の言うことがあてにならないと思う人が増えた。
そして今までに言われ続けてきたことへの懐疑が始まった。
それはとても良いことだと思う。
手遅れかもしれないが、時代は変化し、価値観が変わるだろう。