深夜の高速道路を走るのが好きだ。
AMラジオ、それもNHK第一放送を聴きながら走るのが好きだ。
飛ばすなんて勿体無い。
法定速度を守ってゆっくりと、滑るように走って行くあの感覚が堪らない。
深夜の高速道路は空いている。
でも、飛ばしたらその面白み、味わいは半減するのだ。
せっかく道が空いているのだから、味わいつくさないといけない。
飛ばすなんて野暮の極みだなと思っている。
日常で、仕事で、考える余裕も無く車を走らせているからこそ、そう思う。
お供には眠気覚ましのコーヒーと、好きなタバコがあれば充分。
目的地は遠い方が良い。
遠ければ遠いほど良い。
なるべく市街地から遠い道を走るべきだ。
例えば中国道、池田を過ぎてだんだんと山間に入っていく、あの感じ。
間違っても山陽道ではない。
疲れたらサービスエリアへ入ろう。
今は24時間でも開いているコンビニもある。
小腹が空いたら何か軽くつまめるものを買おう。
普段買わないような物を買おう。
せっかくの長旅なんだからケチケチしても仕方ない。
でも、ガソリンの残量はきちんと把握しておこう。
入れれる時に入れておこう。
100キロを超え、200キロ、300キロと走れば、なんとも言えない感覚になっていく。
真夜中にただ独りで走るあの感覚。
圧倒的な孤独と静けさの中で流れるラジオ。
感覚は澄みわたっていき、同時に夢の中に入り込んでいくようでもある。
この瞬間が永続することを願いながらも、いつかつく目的地へ向かって走り続ける幸福のかたち。